スーパーカブ
わたしの地元も、学校によってはバイク通学が認められていた。残念ながら自分のところは違ったけど、あるとき仲良くなった他校の友だちがバイク通学してて、待ち合わせ場所にはいつも颯爽とバイクで現れた。ホワイト色の原チャリはすごくカッコ良かったし、フルフェースのヘルメットもいかしてた。
とても憧れてたな、女子高生ライダー。
高校を出て、わたしも原チャリの免許を取った。家にあったスクーターに乗って、街や山に繰り出した。大学が休みの時には、遠くまで出かけて行ったりもした。本当に楽しかった。
このアニメ『スーパーカブ』を観て、あの、夢のようだった時間がすぐに蘇った。
カッコ良かった友だち、初めて駅まで走って怖かったけど達成感のあったこと、山々をめぐって緑色の木々が本当に綺麗だったこと。
自分を、どこまでも、どこへでも連れて行ってくれる。
そんな瞬間が、目の前に広がっていた。
あの時感じた以上の喜びって、その後、いったい何度あったかな・・。
ここでは、スーパーカブをきっかけに、絆を深めていく高校生たちの姿が描かれる。
自分も友だちと同じSHOEIのフルフェースにしたよ。
10代と山と風と、移動する視線と友情。
それ以上に美しいものなど、何もない。
平坦な戦場で僕らが生き延びること
この街は悪疫のときにあって
僕らの短い永遠を知っていた
僕らの短い永遠 僕らの愛
僕らの愛は知っていた
街場レヴェルののっぺりした壁を
僕らの愛は知っていた
沈黙の周波数を
僕らの愛は知っていた
平坦な戦場を
落ち葉を見るがいい
涸れた噴水をめぐること
平坦な戦場で僕らが生き延びること