求めても得ることのできない束の間の幻想ではなく
ある人種が勝り、別の人種が劣るという考え方が
ついに、そして永遠に葬り去られるまで
世界は戦場
市民を等級に分けて差別する国がなくなるまで
肌の色が、目の色と同じように何の意味も持たなくなるまで
私は闘いを叫ぶ
基本的人権が、人種の差別なく保証されるようになるまで
私は闘いを叫ぶ
そして悲しい人間の支配欲
この非人間的な隷属が完全に排斥されるまで
世界は戦場
永遠の平和、世界の市民権
そして世界共通道徳へのあこがれが
求めても得ることのできない束の間の幻想ではなく
現実のものとして得られるその日まで
世界は戦場
無名の反逆者
1989年6月4日に起こったあの事件のことは、今でもはっきり覚えている。
写真は、事件の翌日、広場を鎮圧するためやって来た戦車の前にたった一人立ちふさがり、行軍を止めようとした青年。
戦車は何度も迂回しようとし、そのたびに彼は行くてを阻もうとした。
後にタイム誌による「20世紀最も影響力のあった人物100人」に選ばれた彼は、名前はおろか、その生死まで不明だという。
西側諸国では尊敬の念を含めて、「無名の反逆者」と呼ばれている。